中小業者を金融面で支援

新融資制度の運用を開始
振興基金と保証会社を活用

国土交通省は11月4日、中小・中堅建設業を金融面で支援する「地域建設業経営強化融資制度」の運用を開始した。工事請負代金債権を担保に金融機関から融資を受けられるようにする仕組みで、既存の建設業安定化債務保証(下請セーフティーネット債務保証)や売掛債権担保融資保証制度に比べると融資範囲や条件が大幅に緩和されている。国交省では、制度の趣旨を各地方整備局、他省庁に通知したほか、地方自治体や独立行政法人、高速道路会社に工事債権の第三者への譲渡を認めるよう要請している。

同制度は、公共工事を受注・施工している中小・中堅元請建設業者(原則として資本の額または出資の総額が20億円以下または常時使用する従業員の数が1500人以下の建設業者)から債権譲渡先(事業協同組合等または一定の民間事業者)への工事請負代金債権の譲渡を発注者が認め、当該譲渡債権を担保として、債権譲渡先が中小・中堅元請建設業者に対して当該工事に係る融資を行うものである。債権譲渡先が融資を行うに当たって金融機関から借り入れる転貸融資資金については、建設業振興基金が債務保証を行うことができるものになっている。また、債権譲渡先の転貸融資と併せて金融機関が中小・中堅元請建設業者に対して当該工事に係わる融資を行う場合に、保証事業会社が公共工事の前払金保証事業に関する法律に基づき、金融保証を行うことができるというもの。

債権譲渡の対象債権は、工事請負代金債権が対象になる。ただし、地方自治法施行令に基づく低入札価格調査の対象となった者と契約した工事に係わる工事請負代金債権は対象外である。対象となる工事は、国、地方公共団体の発注する工事であるが、国交省直轄工事では、附帯工事、受託工事等の歳入財源を前提とした工事または他省庁からの支出委任工事、国庫債負担行為及び歳出予算の繰り越し等工期が複数年に亘る工事、建設企業が役務的保証を必要とする工事、その他、建設企業の施工する能力に疑義が生じているなど債権上の承諾に不適当な特別の事由がある工事等は対象外になる。

手続きの流れは、中小・中堅建設企業が、工事請負代金債権を事業協同組合等または一定の民間事業者に譲渡する。事業協同組合等または民間事業者は、工事請負代金債権を譲渡担保に、建設業者に対して工事の出来高の範囲内で融資し、そのための資金を金融機関から調達する。建設業振興基金は、当該資金調達に対し債務保証を実施。また、建設会社は、保証事業会社の保証により、出来高を超える部分も含め金融機関から融資が受けられる。

事業協同組合等または民間事業者及び保証事業会社は、工事完成後、発注者から支払われた工事請負代金から、事業協同組合等または民間事業者の融資額及び保証事業会社の保証に係わる融資額を精算のうえ、建設業者に残余を返還する仕組み。

債権譲渡先の事業協同組合等または民間事業者とは、事業協同組合等が、協同組合と建設業団体のことで、民間事業者は、保証事業会社の子会社のことである。

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