公共事業と地域経済
社会資本整備へ取り組み 13年振り建設事業費増加
高知県知事 尾﨑正直

知事になりまして、早1年半となりました。この間「対話と実行座談会」の開催などで、多くの県民の皆様からご意見を伺ってまいりました。その中で、過疎化や少子高齢化、また、経済の低迷に苦しむ中山間をはじめとした地域の現状に触れ、改めて地方で生活することの厳しさを実感しました。
特に、落石により頻繁に通行止めが発生する道路や救急車がすれ違いできない道路、また、歩道のない危険な通学路など県民の皆様の命や安全を守るための基盤整備が、まだまだ遅れていることを認識いたしました。
平成19年に高知県が行った県民世論調査では、「厳しい財政状況の下でも道路の整備を優先して進めるべき」という意見が50.6%を占め、「十分整備されているので必要ない」の3.5%を大きく上回っているなど、県民の皆様は道路をはじめとする社会資本の整備を強く望んでいるという結果になっています。
本県の社会資本の整備状況は、県道の改良率が全国平均の67%を大きく下回る全国最下位の37%、河川の整備率が全国平均の45%を下回り最下位に近い37%と、県民の皆様の生活を支える基盤整備が著しく遅れています。また、今後30年以内に50%から60%の確率で発生し、最悪の場合、本県で約9,600人が死亡すると想定されている南海地震への備えも重要な課題となっています。
こうしたことから、県民生活の安全安心の確保や産業振興による経済の活性化を図るためには、社会資本の整備に重点的に取り組む必要があります。
そのための県の予算の状況につきましては、道路や河川などの公共土木施設などの新設や改良を行う普通建設事業費が、平成8年度の2,201億円をピークに、平成20年度は713億円、ピーク時の3分の1にまで減少していましたが、平成21年度の予算では、平成8年度以来13年ぶりに前年度の予算を上回る普通建設事業費を計上し、社会資本の整備を進めることとしています。
建設産業は、社会資本整備の施工者としてだけではなく、地域に根ざした貴重な就労の場の提供者や災害時の復旧・支援活動の要として、また、県経済を支える大きな担い手として重要な役割を担っています。県としても中山間地域の生活を守る視点や地域経済への影響も考慮する必要があると考えています。
一方で、建設産業界も、地域に根ざした「経営力」と「技術力」のある企業に自ら成長する努力を続けていただく必要があると思います。
昨年7月末に民間企業が発表した宿泊旅行調査の全国ランキングでは、本県は「地元ならではのおいしい食べ物が多かった」都道府県の2位に、また、「地元の人のホスピタリティを感じた」都道府県の4位に評価されました。このように、四万十川などの自然景観の他にも本県には全国レベルの競争力のある観光資源があります。さらに来年は、NHKの大河ドラマ「龍馬伝」が放送され、本県の魅力を全国に発信できるチャンスでもあります。この機会を十分に活かすためにも、遅れている社会資本の整備を進めてまいりたいと考えています。
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- 日時:15:07