各地からの現状レポート(1)

会員の減少対策に苦慮
神奈川県中小建設業協会

神奈川県中小建設業協会の現況について報告しますと、まず会員の減少が続いております。このため、会員の引き留め、会員の増加のための方策を模索しているところであります。

百年に一度といわれる世界的な金融恐慌により日本経済は、大きな打撃を受け、その回復に苦闘しています。私どもの地元である神奈川県においても当然のごとく厳しい事態になっております。会員の中にも企業を存続させるために田地田畑の処分をしたり、親の代から引き受けた財産を処分したりしている企業も多いようです。また後継者が無くて廃業に追い込まれる企業もあります。

そんな中、神奈川県では自民党の神奈川県議団建設グループの先生方が、神奈川県に色々と働きかけていただき、入札制度の問題の改善に努力をしていただいております。たとえば設計価格の事前公表の取りやめを実現したり、今年になっては最低制限価格を85%から90%に上げるようにしてくれています。しかし工事量が少ないため、どうしても過当競争になってしまい、採算を無視して低価格で入札して工事を取る会社が多いという困った状況が続いています。

こうした事が続けば建設会社は必ず行き詰まり、経営が成り立たなくなるのは目に見えています。こんな時こそ中小業者が一致団結して知恵を出し合い連絡を密にして、良い方策を打ち出せるように話し合うべきだと思います。ところが、協会に入っていない企業がかなりの数あるので、一致団結して取り組むには、なかなか難しいのが実情です。

神奈川県の入札は、現在では250万円以上の工事はすべて電子入札になり、一般競争になりました。本庁の工事はもちろん、各地区の土木事務所の工事はほとんどがこの方式に変わりました。土木事務所の発注工事は大半が土木工事で、急傾斜対策工事が大部分を占めています。建築工事はそれに付随するものなので大規模なものはありませんが、年間に何本か発注されております。

なお、積算の内容について、昨年の工事を対象に見てみますと、標準価格で積み上げて共通費・現場経費・一般管理費をプラスしてトータルしてみたら、ほとんど予定価格に近いものであり、5ないし10%値引きで、競争に勝てた経緯がありました。これで施工できれば多少採算性もよく、発注者側の積算との違いは無いことが確認できました。今年から85%から90%に最低制限価格が上がるようなので、神奈川県の場合大分良くなるかなと思います。

また、神奈川県と建設業協会の間で昨年から災害時の防災協定も締結されました。これにより、災害時にはいつでも対応出来る組織になりましたので、地域の建設業として災害時にお役に立てることができ、地域の住民との関係もさらに良くなると思います。

ただ横須賀市においては、市の業者側に対する思いやりが足らず、工事の入札に参加するためには、経審の点数のほかに過去3年間の工事成績の点数が加算され、3年間何も受注していない企業は点数がゼロになってしまい、新年度から参加できなくなってしまいました。

現在の最低制限価格の設定の見直しを今後一層強く要望していくべきだと思います。業者が少しでも利益を上げて、多少でも所得税を納められるようになれば潤いが出ると確信します。

次に川崎市のことに触れますと、入札の現状は、以前より過酷な価格競争が行われています。そんな状況のため、会員は年々減少するばかりで、会員が健全に生きていける入札・契約制度の改善を求めてやみません。川崎支部の会員は、平成17年は42社であったのが年々減少して平成21年には25社になってしまいました。

神奈川県中小建設業協会の会員も昨年度に相模原支部が団体で退会するなどして、現在105社になってしまいました。まさに神中建では、会員確保と増加に向けた取り組みが求められており、今後一層の努力をしていく考えであります。