地域のグランドデザイン

広域地方計画を策定

国土形成計画法に基づく広域地方計画が策定された。この計画は、昨年7月に閣議決定された全国計画において、「多様な広域ブロックが自立的に発展する国土を構築すること」を受けて、北海道、沖縄を除く全国8ブロックの10年間の地域のグランドデザインを取りまとめた。計画の策定に当たっては、各ブロックの自治体、経済団体等からなる広域地方計画協議会で検討・協議を行い、内容を決定している。

(1)東北圏広域地方計画
東北圏(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、新潟の7県。人口約1,210万人、総生産約43兆円)は、「豊かな自然の中で交流・産業拠点として発展するふるさと『東北にっぽん』」を目指す。

農業・水産業の収益力の向上、産官学連携による次世代自動車関連産業の集積拠点の形成、滞在型観光圏の創出、新エネルギーの技術開発や非鉄金属等のリサイクルの推進等による低炭素・循環型社会づくりを推進する。また、物流拠点の機能強化に向けた国際港湾の整備、主要な都市や生産拠点と港湾を結ぶ道路の整備等により国際交流・物流体系の構築を図るほか、津波防波堤や道路整備等による大規模地震災害対策等を推進する。

(2) 首都圏広域地方計画
首都圏(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨の1都7県。人口約4,200万人、総生産約194兆円)は、「世界の経済・社会をリードする風格ある圏域づくり」が目標。

目標実現に向け、高機能オフィスの供給促進や情報インフラの再構築等による国際ビジネス拠点の強化や産業イノベーションの創出を図る。また首都圏空港、京浜港等の機能強化、ゲートウェイ機能の強化を図るほか、web(蜘蛛の巣)構造プロジェクトとして、集約型都市構造への転換、拠点地域間ネットワークの構築を推進する。さらに、首都直下地震等の大規模地震対策として都市基盤の耐震化や防災拠点の整備等を進めるほか、すべての人にやさしい地域づくり等を推進する。

(3)北陸圏広域地方計画
北陸圏(富山、石川、福井の3県。人口約310万人、総生産約12兆円)は、「『暮らしやすさ日本一』自然と活力にあふれた環日本海交流の中枢拠点」を目指す。

医薬や繊維等の産業活性化や国際物流機能の強化等により東アジアに展開する日本海中枢拠点の形成を進める。またLRTや路面電車等の公共交通を核とした地域づくりや、子育て環境の充実等により、豊かな暮らしを育む連接型都市圏形成を図る。さらに、北陸新幹線や東海北陸自動車道等を活用した広域観光交流圏の形成を進めるほか、都市と農山漁村との交流を支える道路網の充実や3次救急医療施設への交通アクセスの強化、治水対策等を推進する。

(4) 中部圏広域地方計画
中部圏(長野、岐阜、静岡、愛知、三重の5県。人口約1,700万人、総生産約77兆円)は、「ものづくりと環境貢献で日本のロータリーとして世界のまんなかへ」を目標とする。

次世代型航空機の研究開発等による世界のものづくりの中心地としての産業競争力の強化や次世代産業のイノベーション、環境共生社会の実現に取り組む。また、国際的な空港・港湾の機能強化や高速交通ネットワークの構築を図る。さらに、地域食材のブランド化や都市との交流等を通じた農山漁村の活性化や、産業施設、テーマ型観光のネットワークの形成・情報発信、広域交通ネットワークの構築等による観光交流等を推進する。

(5)近畿圏広域地方計画
近畿圏(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山の2府4県。人口約2,090万人、総生産約82兆円)は、「知と文化を誇り力強く躍動する関西」を目指す。

「関西ブランド」の創造や文化首都圏を目指した本物を育む地域づくり、バイオなど次世代産業を創造する「知の拠点」の形成、広域観光ルートの形成など関西の魅力巡り観光の推進を図る。環境エネルギー産業の集積を活かした低炭素型コンビナートを核とする新しい臨海拠点の形成や、大規模な臨海部物流拠点の形成等による大阪湾ベイエリアの再生、広域物流ネットワークの強化を図るとともに、大阪湾や琵琶湖等の水環境の再生や都市の森の創生による水と緑の広域ネットワークの構築等を進める。

(6)中国圏広域地方計画
中国圏(鳥取、島根、岡山、広島、山口の5県。人口約770万人、総生産約30兆円)は、「瀬戸内・日本海に臨む基幹産業と里山の資源で創る交流圏域」を目指す。

コンビナートの統合的運用等によるものづくり産業の再構築・高度化を図るとともに、大型船舶に対応する産業港湾インフラの刷新や瀬戸内海・日本海沿岸における国際交流・物流機能の強化を図る。また、中山間地域等の暮らしの安心確保に取り組むとともに、山陰と山陽の連絡や山陰を東西に連絡する広域的な幹線道路ネットワークや産業・生活を支える地方港湾の整備を進めるほか、総合的な治水対策等により美しく強靱な圏域づくりを推進する。

(7)四国圏広域地方計画
四国圏(徳島、香川、愛媛、高知の4県。人口約410万人、総生産約14兆円)は、「癒やしと輝く産業・ひとを育てる四国の創造」が目標。

このため木質バイオマスの利用推進等による林業と木材産業の一体的な再生等を通じた緑の島四国の森林との共生、LED、希少糖等の世界に誇る技術を活かしたきらり輝く技術力・健康支援産業クラスターの形成、瀬戸内フィールドミュージアムや霊場八十八箇所等を活かした個性ある地域づくりを推進する。地域内の交流の活性化や圏域の安全・安心を支える基盤として必要な四国8の字ネットワークの形成を図るほか、水害・土砂災害を軽減する治水対策、治山対策の推進等の取組を進める。

(8)九州圏広域地方計画
九州圏(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島の7県。人口約1,335万人、総生産約44兆円)は、「東アジアとともに発展し、活力と魅力あふれる国際フロンティア九州」を目指す。

半導体・自動車等の成長型・圏域型産業群の形成、海外でも魅力的な農産物等の生産地づくり、九州新幹線や韓国高速鉄道等を活用した観光連携を推進するとともに、東アジアのゲートウェイ機能の強化・充実を図る。また、離島や半島地域等の地理的制約を克服する定住環境の形成を推進する。台風や集中豪雨等の災害リスクに対応し、再度災害の防止対策やハザードマップの整備・普及等を進めるほか、北部九州における安定的な水資源の確保等を図る。