公共工事減の影響深刻化 会員企業で自殺者急増

各支部も会員減少に苦悩

何年にも渡って公共工事量の減少が続く厳しい環境に加え、リーマンショックによる世界同時不況がもたらした民間工事の激減という追い打ちで、建設業界は危機的状況に立たされている。とりわけ、地域で活動する中小建設業は、依存する公共工事量の回復が、見込めないことから、地域での大きな役割を背負いながらも、倒産・廃業する企業が相次いでいる。このため、経営難、将来展望を悲観しての自殺者が急増している――こうした実態が全中建本部(岡本弘会長)の調査の結果、浮かび上がってきた。
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中小建設業者の悲惨な状況が、クローズアップされたのが、全中建災害共済制度の加入者に8人もの自殺者が出たことであった。平成20年4月から21年3月までの1年間で、8人の方が自殺された。前年度が2人の自殺者であったから一挙に自殺者が4倍の数字になったわけである。これは極めて異例で、岡本会長は、事態を重くみて共済制度運営委員会(委員長・岡野三郎副会長)などに調査を指示した。
共済制度運営委員会によれば、共済制度加入者が平成20年度に死亡したのは、19名で、そのうちの8名が自殺によるものである。2位の死亡原因がガンの4名だから、自殺がダントツの1位となった。自殺された方の平均年齢が55歳で、まだまだ頑張って働いて欲しい人達が命を自ら絶ったわけである。
自殺した原因は、①会社の経営状態が悪く、先細りで将来的にも見込みがないため、家族に保険金でも残せるように自殺した②公共事業の減少に伴い、例外なくダンピング競争に巻き込まれ、経営が行き詰まり自殺した――などが分かっている。

ただ、これらは自殺とはっきりしているものであって、経営者の自殺が表に出るのは少なく、表向きは、病死または事故死であると公表しているケースが多く見受けられるという。今回の調査でも、明らかに医師が自殺と判定しているケースでも、周辺では事故死となっているものがあった。
一方、自殺の重要な要因となっている建設業者の倒産・廃業は、昨年、全中建の役員会社が2社倒産するなど、増加の一途をたどっている。特に長年に渡り地域に貢献している老舗の有力な建設業者が表舞台から姿を消しているのが目立つ。

これは、公共工事の減少と、ダンピング競争による赤字受注がもたらしたもので、そうした状況は、全中建の各支部、団体会員からの報告でも明らかだ。全中建山梨からは、今年の4月1日時点での会員数が265社で、ピーク時と比べると158社も会員が減っているという。山梨県内の平成20年度の公共工事は、請負金額が1,295億7千万円でピーク時に比べ1,650億円の大幅減である。

これよりひどい状況なのが、高知県中小建設業協会で、公共工事は、ピーク時の3割以下の量になっており、少ない工事を求めて過当競争が激しい。また、同じ四国の香川県中小建設業協会の報告では、会員数がピーク時に比べ30%減少し、84社になっており、公共工事は、ピーク時より72%も落ち込んでいる。つまりは28%の工事量になっており、高知県と同様のひどい有様である。

このほかにも各支部からは公共工事の減少とダンピング受注に悲鳴を上げている声が届いている。それに伴い、倒産・廃業等による会員の減少で支部の維持が難しくなっている実態が明らかになっている。