年頭所感

入札制度改善求め運動展開

社団法人全国中小建設業協会
会長岡本弘

平成22年の年頭にあたり謹んでご挨拶を申し上げます。会員のみなさま方におかれましては、平素より建設業界の発展のためにご支援・ご協力を賜り心より御礼申し上げます。

建設業は、住宅・社会資本整備の重要な担い手であり、地域における多くの就業機会を提供する基幹産業として、また、国民経済・地域社会の発展を支えるとともに、災害時における中小建設業者の迅速な対応は、被害を最小限に抑え、早期復旧を図るなど、国民の生命と財産を守る大変重要な役割を果たしているところであります。

経営は危機的状況
自殺者は4倍に

しかしながら、わが国の経済は、安定した景気回復から一転し、一昨年秋のリーマンショックによる世界同時不況がもたらした民間工事の激減に加え、永年にわたり続く公共事業予算の大幅な縮減と、価格競争激化に伴う泥沼のようなダンピング問題、不良不適格業者の参入の問題などが顕在化し、真面目に努力している多くの中小建設業者の経営は危機的状況にあります。特に、昨年度(平成20年度)におきましては、当協会会員企業の経営者の自殺者が、前年度の4倍に達するなど極めて厳しい現実の姿があります。

公共工事の積極的導入を強く要請

さらに、昨年8月末の総選挙により、同年9月16日に発足した民主党を中心とした3党の連立政権では、「コンクリートから人へ」との国民へのアピールのもと、ダム・道路・河川及び営繕などについて、無駄な公共工事は厳しく見直すこととされ、平成21年度補正予算並びに22年度概算要求では、公共事業予算の凍結または大幅な縮減が求められているところであります。

我々中小建設業者の経営は、まさに崖っぷちに立たされている状況であり、さらなる事態の悪化が予想されておりますので、早急な景気の回復による民間工事の増大を図るための施策を協力に推進するとともに、災害復旧工事など国民が安全で安心できるための社会資本の整備並びに地域における就業機会の確保を図り、経済の活性化を促進するための公共工事の積極的な導入について、関係方面に対して強く要請しているところであります。

予定価格の事前公表
取りやめ等が必要

また、我が国の経済情勢は、非常に厳しいデフレーション下にあり、価格競争激化の中における公共工事のダンピング受注が、中小建設業界の適正な発展を阻害し、混乱を招くこととなるため、国及び地方公共団体で発注される公共工事の入札及び契約の手続きの適正化が是非とも必要であります。
特に、予定価格等の事前公表の取りやめ、最低制限価格・低入札調査基準価格の見直し等の改善を早急に実施することが是非とも必要であり、これらの改善につきましては、全国知事会長をはじめ全国市長会長、全国町村会長などに対してお願いしているところであります。

地域住民の理解得るために努力を

なお、これらのことについては、日頃から各地域の皆様方が痛切に感じておられ、関係機関への要望など行っておられることとは思いますが、それぞれの都道府県知事及び市町村長などに対して、地元の皆様方が直接に働きかけられることが是非とも必要であると思いますし、より一層の効果があるのではないかと考えるところであります。

このように建設業をめぐる最近の情勢には、非常に厳しいものがありますが、このような時にこそ業界団体が一致団結して、景気回復のため、また、国民の安全・安心のため、社会資本の整備が必要であることを強力にアピールし、多くの地域住民のみなさんへ、ご理解とご支援を賜ることが是非とも必要であると考えるところでありますし、そのための努力を傾注してまいりたいと考えているところであります。
全国の会員の皆様におかれましては、年始早々非常に暗いお話しばかりで大変恐縮ではございますが、今後とも全国中小建設業協会に対する一層のご支援ご協力を賜り、一日でも早く明るい業界となりますよう努力してまいりたいと存じますので、協会活動に強力なバックアップをいただきますよう心からお願い申し上げます。

年頭にあたり、皆様方のさらなるご発展とご健勝を祈念申し上げ、新春のご挨拶といたします。