各地域からの現状リポート
地域社会から理解と信頼を得る企業へ
全中建栃木
会長松本友一
建設産業界は、これまで10年余にわたり公共事業費が大幅に削減され、さらに加えて「百年に一度」と言われる景気低迷が相まって、民需も期待できない極めて厳しい状況に置かれております。こうした中、昨年8月30日の総選挙で歴史的な政権交代が起き、民主党を中心とした3党連立政権が誕生しました。
新政権は、「コンクリートから人へ」「公共事業から福祉へ」のキャッチフレーズの下、八ッ場ダムに象徴されるように公共事業費を大幅に削減し、福祉や環境に予算を回す政策を推し進めるなど、我々中小建設産業界にとっては、地獄を見るような状況であり、正に正念場を迎えております。
現在、全中建栃木の会員数はピーク時(平成8年)に比べ約30%減と大幅に減少しており、特に、ここ数年間は年に20社以上が倒産や自主廃業等により退会を余儀なくされております。
この中には、創業120年を超える老舗企業や業界団体の役員を長年務めてきた企業等が含まれており、中山間地域が多い本県においては、梅雨期や台風シーズンにおける自然災害への対応、冬期の融雪・除雪作業等に支障を来たす地域も出てきており、地域の安全安心や地域経済に少なからず影響を与えています。
また、会員は、公共事業=建設業=悪とのイメージを払拭するため、また、入札契約制度の改変に対応すべく、災害協定に基づく出動やボランティア活動の愛ロード、愛リバー等、道路河川の美化運動及び防犯パトロール等、社会貢献の一環として各種事業に積極的に参加し活動しております。しかし、こうした活動が直接受注に結び付かないなど、会員が疑念を持っているのも事実であります。
平成17年4月に、品確法が施行され、栃木県においても総合評価落札方式が試行されました。当会では、それと同時に入札契約制度等の課題等について検討を開始し、3年余に亘り議論してきたところであり、これまでに経営事項審査の主観点や総合評価落札方式の「価格点と価格点以外の評価点」が段階的でありますが100対25に配分され、また、技術評価項目も改善されてきたところであります。
さらに平成21年6月1日からは最低制限価格等が公契連モデル+αと大幅に引き上げられるとともに、予定価格の一部事後公表が試行されるなど、当会の意に沿った栃木県独自の制度改正がなされるなど、厳しい経営環境に置かれている会員企業にとって、将来への展望、また、持続的な企業経営の面からも一歩前進と受け止められております。
今般、政権交代が現実のものとなり、公共事業への依存度が高い地方の建設業界にとっては先行き不透明で不安感が増すばかりでありますが、会員企業が公共事業の受注産業として、CRS(企業の社会的責任)活動と諸法令の遵守などコンプライアンスの徹底に相互に努めて行くとともに、災害時の緊急対応の地域貢献活動などにより、地域住民から理解と信頼を得られるよう取り組み、地域社会における安全・安心の社会資本整備の担い手として、自覚と誇りを持って今後も一層努力して参る考えであります。


- 投稿者:
- 日時:17:24