各地域からの現状レポート
我々は積極的に提言すべき
社団法人北多摩建設業協会
会長安藤明義
(社)北多摩建設業協会は、東京都多摩地域にある自治体27市の中の17市で組織する業界団体です。多摩地域には、当協会の他に(社)南多摩建設業協会と西多摩建設業協同組合があり、互いの協力のもとで業界の発展に資する活動をしています。
業界組織は市のレベルから、都道府県組織そして全国組織へと階層をなしています。ただ、大切なことは、それぞれの組織が当面している問題を他に転嫁することなく、先ずは主体的に、自らの責任で対応することです。そのため、私たちが最も心配している公共事業費や建設投資額の減少や低価格入札の実態を把握し、その対策に力を集めるべきだと思います。
民主党政権が誕生し、公共事業費の相当の削減は予想していましたが、正直これほどの状態になるとは思ってもいませんでした。ただ、常識から外れた政策がいつまでも続くとは考えられません。民主党の良識ある議員が先の参議院予算委員会で、国交大臣に「地域の産業政策と一体化している公共事業もある」と公共事業の有効性を説き、公共事業費の削減を厳しく追及していましたし、また業界に精通している自民党議員も、低価格入札等に関連して「このままの当局の姿勢では建設業が消える」と真っ当な論陣を張っていました。私はその様子をみて、まだ国会議員の中に政治の愚策を正す人がいることを知り安堵しました。
ですから、私たちも政治経済の低迷での建設投資の減少や、建設市場の縮減で受注競争が激しくなることをしっかりと認識し、異論を唱えるだけでなく、建設業は常に街づくりの担い手であり、多くの雇用を支える基幹産業であることを自覚し、業界が求める政策を積極的に提言すべきだと思います。特に予定価格の事前公表や低価格入札の問題は、過去に多発した官製談合疑惑の批判をかわす、当局の思惑から派生したようにも感じられますが、建設業界の劣化にも原因があると思うので、その病巣は速やかに根治しなければならないと思います。
根っからの建設屋を自負する私は、自分を取り巻く状況にいつも不安を感じています。ただ、現実問題として、工事量は経済の成長戦略に期待するしかありませんが、不条理な入札措置は「公正をもって第一義とすべきである」という地方自治法や、「健全な建設業の発達を促進する」という建設業法の理念に反し、結果として多くの関係者が不利益を蒙っています。
業界は、地域格差をはじめ、さまざまな課題を抱えています。私たちの協会にしても、営業拠点が都心に隣接していることでの問題もあります。例えば、地方に比べて工事量が多く受注の機会もあるが、反面、普通は地元業者が請け負うような工事にも、知名度の高いゼネコンが強い体力と営業力で無差別に入り込むし、公共事業でも、地域経済の振興や地元業者育成に留意すべき当局が、常識を超えてゼネコンの参加措置を図る状態を危惧しています。従って、私は関係者の理解を求めながら、それら諸々の問題に真摯に取り組み、地元業者の発展を促進するために、微力を尽くしたいと思っています。
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- 日時:21:23