地方は公共投資でしか救えない
高橋定雄氏の講演要旨
評議員会で記念講演を行った高橋定雄氏は、国土交通省で河川の技術畑の仕事に従事、平成20年に国土交通省を退職し、現在はダム水源地環境整備センターの技術参与を務めている。高橋氏は、『いわれなき公共事業批判を糾す』という本を書いたが、同書は、鋭い舌鋒で、世の中の論拠のいい加減な公共事業批判を徹底的に論破しており、建設業界の注目を集めている。
そこで全中建では、公共事業批判に敢然と立ち向かう高橋氏に講演を依頼、今回の記念講演となったものである。高橋氏の講演は、「社会資本整備の意義と重要性を考える」というテーマで、①どうしてこんなことになってしまったのか?どうしたらよいのか?②謂われ無き公共事業批判を糾せ!③新政権に望むこと④我々が今、成すべき事、考えてみたいこと⑤取り戻そう土木の誇り――の5つのポイントを中心に話が進められた。
『どうしてこんなことになったか?』では、公共事業が政局争いの草苅場にされたとし、全ての始まりは小泉・竹中構造改革だと指摘、「民主党になったら、リベラル施策(社会福祉重視)推進のための財源捻出の生け贄にされた」と述べた。
小泉・竹中構造改革で、公共事業が財政赤字の元凶とされたことに対し、高橋氏は、「公共事業が財政赤字の原因ではないことは、誰でもが知っていることで、昔から歳出が歳入を上回る財政構造になっている」とし、バブルの時でも10兆円ほど歳出の方が多いことを数字で示した。
なぜこれほど公共事業がバッシングされるかについては、高橋氏は、公共事業は批判されやすい特性があるとした。それには、①費用対効果に施策効果を限定化された②商慣行③税金と事業が直結している④マスコミに強い足場がない――などをあげた。そして、土建国家論、無駄な公共事業論、財政赤字元凶論、高コスト構造論、高速道路採算論などは、全て間違っており、反論すべきだと主張した。
続いて高橋氏は、日本の公共投資は決して過大ではないとして、アメリカ、英国、フランス、中国などの公共投資戦略を紹介、各国が公共投資を増やしていることを明らかにした。
また、世の中に訴えたいこととして「公共投資は世代間の資源配分。将来世代へ欧米並みのインフラを贈るべき投資努力をすべきだ」と述べ、さらに「地方の疲弊は目を覆うばかりで、地方経済は公共投資でしか救えない。国策で減らすなら対策を講ずべきだ」と厳しく指摘、地方対策の重要性を訴えた。
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- 日時:21:33