真摯に本質的な議論を
参議院議員脇雅史
参議院選挙が終わって、世間の騒動はやや静まりかけていますが、政局の動向はなかなか落ち着かないものがあるようです。毎度のことながら選挙結果を巡って、勝った負けたと騒いでいますが、最近の国政選挙を見ていると、勝敗よりも本当の国民のお役に立つ国会議員が選ばれているのか、疑問を感じてしまいます。
民主主義の原点に立ち返って、国会の在り方、政党の役割、選挙制度の考え方等もう一度見つめ直して見る必要があるようです。
選挙もさることながら、最近の我が国を支配している『物の考え方』あるいは判断基準といったものにも疑問を感じてしまいます。
民主党政権の仕分け作業を見ていても、効率主義、儲かるか儲からないか、という観点ばかりが強調されてしまいますし、最終的にイエスかノーかといった二者択一的な考え方が巾を効かせているように思います。
こういった考え方から、例えば、国会公務員の再就職を「天下り」と称して、絶対悪のように取り扱っています。また「談合」ということも絶対悪と看做しているようですが、本当にそうなのでしょうか。内容について吟味することもなく、悪い面、悪い所だけ強調して判断をしているように見えます。ある意味、極めて子供っぽい議論のみ横行してしまうように見えます。
本来、21世紀を迎えた今日、我々日本人はどういう社会を目指していくべきなのか、歴史を踏まえて丹念な議論が必要であるのに、政治は選挙に勝つことだけを至上の目的として動いてしまい、本当の議論が不在となっています。
例えば「天下り」問題を論じようと思えば、まず今後の公的なサービスの在り方、そしてその内容について確認し、それを国民に対して適切に提供できる公務員制度の在り方を議論せねばなりません。そしてそこで働く一人一人の公務員が、本当に使命感を持って働けるための職場の在り方及び処遇の在り方についても議論しなければなりません。
そして勿論のことですが、そのことについて大方の国民の合意を得る必要があります。
今現在、行われている議論では、多くの公務員はやる気を失ってしまうのではないかと心配しています。
また、「談合」という問題では、全く形式的な判断のみが先行していて、本来の意味での議論はほとんど不在といってよい状態にあります。
公共事業を発注する機関(主に国及び地方公共団体)とそれを請け負う会社との関係をどのように構築すれば、国及び国民にとって、更には請け負う会社にとって良い結果が得られるのか、真摯な議論が必要ですが、ただ安ければ良いとか、競争さえすれば良いという安易な考え方が支配しています。
そこには、公共事業の特性を見極めたうえでの本当の意味での国民の利益に対する議論が不在です。誠に憂うべき状況です。
一事が万事で、今我が国に必要なことは、全ての課題について本質的な議論をもう一度真摯に行うべきと考えます。
どんなことでも、どんな物でも良いことだけ、悪いことだけということはありません。昔の人は盗人にも3分の利と言ったものです。
末筆ですが、皆様のこれまでのご支援、ご尽力に対しまして心から御礼申し上げます。
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- 日時:17:27