浜田 真倫様に聞く

土志田建設株式会社
(一社)横浜建設業協会

『モノづくり 魅力はドキドキ感』

ーーお仕事の内容について教えて下さいーー
建築工事の現場監督をしています。SRC造、RC造、S造を中心に施工管理をしており、多くの建物を手掛けてきました。資格は1級建築施工管理技士、1級電気工事施工管理技士、監理技術者、コンクリート技士などです。

ーー建設業界に入られたきっかけは何ですかーー
きっかけは、建設業や製造業の技術者になるのが花形だと思われていた時代に育ち、建設業界に入りました。現場経験年数は28年です。

ーー建設業界の魅力とはーー
自分が携わった建物がいつまでも残ること。また、その建物に入れなくても、いつでも外から眺めることができること。また、同じ建築物は二度とないので、現場にはいつも新しいチャレンジをするドキドキ感(刺激感)がることです。

ーーいまだ男社会と言われる建設業界で女性としてのハンデや良かった事などがありますかーー
ハンデは①体力面では男性にかなわない ②制服や保護具が体格に合わない ③更衣室・トイレが無いまたは不便 ④一段低く見られ、技術力を信用されにくいーなどです。逆に女性で良かったことは①大切にされることが多い ②あまり厳しく怒られたりしないーことです。

ーー現場で働く女性の皆さん(女性技能者・技術者)に対する会社(現場)に反応や変わったことはありますかーー
 建設業就労者を減らそうとしていたころ、性別で雇用調整の対象となる時代を経験しました。一方、現在では女性活躍推進法などを背景に、更衣室やトイレなど仕事をする上でのハードのハンデはかなり克服されてきていると感じます。

ーー女性が働く上で、建設業界や現場に求める改善点などはありますかーー
 古い意識の男性を改革するのは至難ですが、男性の意識改革は急務で、継続の必要性を感じます。また、作業着や保護具は体形・体格の違いをカバーできるものの普及が遅れていると思います。

ーー現場で常に心がけていることはありますかーー
 服装が乱れないこと、相手の年齢を問わずに笑顔で接すること、終業まで崩れない化粧をすること、などを心がけています。

ーー現場あるあるーー
 建設業従事者のほとんどの男性たちは、食事の作法やトイレの使い方が粗雑です。

ーー結婚と仕事の両立について、しんどかったことや周りの理解のあり方について教えてください。ーー
 子供の夏休みなどの長期休暇や、学校行事に合わせられないことはしんどいです。仕事の分担量は大きいので、休暇を取得しても業務を肩代わりしてもらうことは不可能に近く、要領よくこなせるようになるまでは、家族の時間はあまり取得できなかったです。

ーー悔しい思いをしたこと、それでも辞めずに続けてこられたのはーー
 自分の失敗が原因でつらいことがあったときは、家族やペットの姿を見ると乗り越えられました。失敗の原因が自分でないときは、数年前に流行った言葉ですが『鈍感力』を身につけて割り切って対応することでこれまでやってきました。

ーー今の仕事に就いて1番嬉しかった言葉は何ですかーー
 医療福祉関係施設の工事ではよくあることでしたが、完工事に発注者から、ていねいにお礼を言われるときが嬉しかったです。多摩地区の透析診療所の完工事「いつも遅くまで残業をして、休日出勤を繰り返しながらも、こんなに丁寧に仕上げていただいて、本当に有難うございました。この、診療所はこれから大切に永く使います」と言われた言葉が一番、心に残っています。

ーー未来の自分についてーー
 モノづくりの技術者として内勤ではなく、いつまでも最前線で活躍したいです。また、つねに最新の技術動向をウォッチして技術をアップデートしていきたいと思います。

ーー建設業を目指している女性に向けてメッセージをーー
 ルーチンワークではなく、つねに新しい刺激があり、あっという間に時間が過ぎていく仕事です。また、考えているよりも、難しくない仕事です。 

ーー貴方の大切な時間を教えて下さいーー
 趣味の読書、旅行、ドライブのための時間は、人一倍頑張って取得します。電車通勤の時間では文庫を持って読書をしたり、マイカー通勤の際は運転そのものを楽しむようにして気分転換を図っております。また、帰宅後の長めの入浴時間や家族との食事、飼っている私にべた慣れしている中型インコとの時間は絶対に欠かさないようにしています。