特集 建設業界で働く女性たち

2018年07月30日

大村優季さんに聞く

株式会社 松下産業
(一社)東京都中小建設業協会

『職人から名前で呼ばれて信頼実感』

――お仕事の内容を教えて下さい――
 現場施工管理です。入社後、大田区西馬込のマンション新築工事(自社物件、延床1393平方メートル、RC造、地下1階、地上5階建て)に配属、その後、埼玉県和光市のマンション新築工事(エコ住宅、延床4045平方メートル、RC造、地上7階)に配属されました。計画書の作成、工事写真撮影、施工管理記録の作成、材料の数量拾い・注文、墨出し・寸法のチェックなどを経験しました。

――建設業界に入られたきっかけは何ですか――
 大学で建築学科を専攻したためです。現場経験年数は2年です。


 
――建設業界の魅力とは――
 造った建物(自分自身が担当した物件)が誰かに使ってもらいながら長い間残り続けることです。

――男社会と言われる建設業界で女性としてのハンデや良かったことなどありますか――
 男性との力や体力の差は常に感じますが、例えば、重い物を運ぼうとした時、代わってくださったり、優しい方も多くいますので、先ほど申し上げた点については仕事をするうえで女性だからと不安になることは無いと思います。

――現場で働く女性の皆さん(女性技能者・技術者)に対する会社や現場の反応はどうでしたか――
 職人さんがファーストネームで呼んでくださると信頼されているのかなと嬉しく感じます。今いろいろと問題になっているセクハラ・パワハラについて必要以上に敏感になっているように感じますが、そういった面でも気を遣って下さる方が多いです。  

――女性が働く上で、建設業界や現場に求める改善点などはありますか――
 最近、女性用の作業着など増えてはいるようですが、私は身長が小さいので、安全靴や作業着などでサイズが無いこともあり、もう少し小さいサイズがあれば便利だなとは思います。

――現場で常に心がけていることはありますか――
 常に何事にも冷静に物事を考えられるように意識しています。仕事をやる上で時間に余裕を持つことや計画性も大事ですが、時間が無いときでも焦らず冷静になることで労働時間の短縮、効率化を目指しています。あと毎日お昼ご飯を楽しみにしながら仕事をしています(笑)

――未来の自分について――
 資格(1級施工管理技士、1級建築士)を早期に取得し、幅広く仕事ができればいいなと思っています。

――建設業を目指している女性に向けてメッセージを――
 この業界は、人によって、仕事のやり方も考え方も全く違います。正解は1つではないので奥が深く、面白い仕事だと私は思っていますので、興味のある方は是非この業界に入ってみてください。 

――貴方の大切な時間を教えて下さい――
 睡眠とお酒(よく飲むお酒はカクテルやサワーです)と食事の時間が私の幸せな時間です。


3/1 建設産業女性活躍セミナー 全国大会

平成30年3月1日(木)建設産業女性活躍セミナーが三田共用会議所で開催されました。
全中建からは(一社)沖縄県中小建設業協会 當間ありさ様(有限会社 牧野建設)がパネラーとして参加をして頂いたほか、名古屋地区開催の際にパネラーとしてご参加頂いた和田智恵様(株式会社 加藤建設)のほか、當間様と同じ会社の本村恵奈様(有限会社 牧野建設)にも会場にお出で頂きました。

主催者側の挨拶後、パネラー6名の自己紹介があり、コーディネーターの籠田淳子様(有限会社ゼムケンサービス)の進行により ①建設産業は男性社会のイメージが強い ②トイレなどハード面の遅れ・子育て・介護などのソフト面の課題 ③女性の活躍・スキルアップ ④情報発信についてディスカッションが行われました。

①の業界イメージについて 男性メインの職場であるのは今もあまり変わらない、大きな理由として女性の数が圧倒的に少ないから。行政側に女性が増えてきたことで徐々に変わってきていると思うなどの意見があり、當間様からは「最初は相手にもされず雑用ばかりだった。オペレーターの仕事は力では男性に負けるが、女性の方が機械操作は細かく丁寧だと思う。」と発言されました。

②トイレなどのハード面では、工期が短い現場では費用の関係で男女のトイレを設置するのは難しい、大規模な工事現場では環境整備は整っているなど、トイレを中心に皆さんの現状報告があり、この中で當間様は「入社当時の現場のトイレはとにかく汚かった。これからは国だけでなく県や民間工事でも女性専用の設備を設置してほしい」と発言されました。
子育て・介護などのソフト面では、各社の取組みのほかイクメンやイクボスについて、③女性の活躍とスキルアップについては、地域でのコミュニケーション能力はどちらかというと女性の方がスムーズにできること、社内の中で女性男性でディスカッションを行いながらいろいろなやり方を実行していく、キャリアアップするにはとにかく現場経験が必要でそれが次への自信につながっていくなど、④情報発信では當間様より「建設機械の雑誌に取り上げられたり、那覇空港滑走路の現場で地元のテレビ局取材を受けた。自分だけでなく先輩方にも声をかけて頂いたようでとても嬉しかった」と女性オペレーターとして注目がおかれた事の大きさについてご発言されました。

最後は会場に参加した方それぞれで、名刺交換や情報交換が行われ終了となりました。

向かって左:和田智恵様 右:建設業振興基金 新倉様

このセミナーが参加した女性の皆様にとって、多くの発見やこれからの支えになればと思うと同時に、私ども事務局にもたくさんの力を頂いたように思いました。
改めて今回ご参加頂きました當間様・和田様・本村様、そして広島地区開催にご参加下さいました山崎建設㈱ 佐藤陽子様、セミナーご参加者の関係者様、各事務局の皆様(愛知県土木研究会・全中建 広島県支部・沖縄県中小建設業協会)にお礼を申し上げます。有難うございました。

向かって左から本村様・當間様・和田様

(一財)建設業振興基金より発行の「建設業 しんこう」4月号の表紙と連載「HOPE」に和田智恵様が登場されております。ご覧ください!
しんこうweb4月号


建設産業女性活躍セミナー パネルディスカッションに参加!!

平成29年10月~12月にかけて全国10都市で『建設産業女性活躍セミナー』((財)建設業振興基金主催)が開催され、全中建からも会員企業より3名の女性の皆様にパネラーとしてディスカッションへご参加を頂きました。
ご参加頂きましたパネラーの皆様や会場へ足を運んで頂いた関係者の皆様からコメントを頂くことができましたので、この場でご紹介をさせて頂きます。

【11月8日(水)広島地区 RCC文化センターにて開催】

パネラー:山崎建設㈱ 佐藤陽子様より
現場監督として勤務。

【女性の入職について必要なこと】
・女性にとって,仕事の選択肢が広がり、男女の差異のない社会であることを望みます。
・建設業で考えると,男性の体の大きさに合わせた仕様の道具が主流であることが問題であると思います。自分には,安全靴,軍手,作業着 など,女性が着用するとサイズが大きいものばかりで困ることが多いです。(足のサイズが23センチのため、安全靴選びには苦労してます。)

【ワークライフバランスについて】
現場に一日中いるため,自分の時間をどのように確保するかは意識しています。
現場監督として,休憩時間を長く取ることは難しいが,自分なりに工夫することで,リズムを作り,同じ現場で勤務する人たちとお互いの仕事への考え方を理解し合えると感じています。

 (向かって左)

全中建広島県支部(事務局)小泓 由佳様より
パネリストの皆様は,女性技術者,母親としての役割をこなし,日々,一生懸命働いている印象を強く受けた。
仕事の昼休みを活用し,一度帰宅して家事をしていること,不登校となった子どもを,自分の会社へ連れて行き,自分の勤務中の様子を見せるなど,激務でも自分の仕事を家族が理解して,それを受け入れているのだなと感じた。
男女平等が普通の社会となりつつあるが,女性は妊娠や出産で仕事を離れる事もある。男性と同様にバリバリと働き続けることは難しいと思う。そのような環境で,今回のパネリストの女性達は,会社の中で大切にされている,必要とされた存在なのだと感じた。
セミナーの中で,「ワークライフ・バランス」の必要性を強く感じた。
一旦,休職しても,復帰できる環境を整えてくれる会社があれば,専門技術を持つ女性が活躍できる場は,たくさんあると思う。
自分の働き方を改めて考えさせられるもので,将来のビジョンを考えることができ,大変参考になった。

【11月27日(月)名古屋地区 安保ホールにて開催】

〇(一社)愛知県土木研究会(事務局) 常務理事 松田 等様より
 女性活躍推進法の施行に対する国(国交省)の取組みとして、各地で推進のためのセミナーが開催され、中部においても、さる11月27日名古屋市において開催された。
 お二人の基調講演の後、パネルディスカッションでこれから建設業へ入職をされるであろう女性に「土木の仕事をわかりやすく伝えることができれば」「社内全体の意識が変わらなければ、女性が働きやすい環境は整わない」「トップが変われば改革は可能」など意見が出た。これらを改善するには、大学では土木工学という学部が殆どないのが現状のなか、工業高校には土木科という選択肢があるが、学生らの勉強の仕方や人が使うものを造る建設業を、どのようにPRしていくかに思いは尽きない感じがした。パネラーの皆さんのお話をいろいろ耳にしてそのパワーに感心しました。
 中小建設業の働き方改革はどう取り組めば。課題が山積する。

(向かって左)

【12月5日(火)沖縄地区 沖縄建設労働者研修福祉センターにて開催】


建設業界で働く女性のつどい

 建設業界でも最前線の現場で活躍する女性が増えています。全中建では平成29年7月19日、事務局に建設業界で活躍する女性の皆さんに集まっていただき、現場での実際の苦労や、やりがいなどについて語ってもらった。

― 実際に現場へ出て思ったこと ―
 當間 現場は男社会で自分には技術もなかったことから「おい!」としか呼ばれず仕事も雑用ばかりだった。今では知らない職人さんから 下の名前で呼ばれたり仕事も任せて貰えるようになりました。
 新倉 上司から「まる子」と呼ばれるので、まわりからも「まるちゃん」とニックネームで呼ばれる。現場は想像より働きやすかったです。
 須藤 現場はもっと汚い世界だと思っていたので覚悟をして入ったが、思ったより働きやすいと感じた。怒られることもあるが、女性が少ないせいか皆さんはとても優しい。良い意味で女性ならではの仕事の頼み方も学んだと思います。
 鈴木 まだ、現場に出ていないので分からない。これから自分の立ち位置なども含めて勉強していきます。
 須藤 デザインや設計をやってきたが、図面などは書けずにこの業界へ入りました。図面だけでは何も見えてこない、建設業界へ入ってみなければ分からないと思っていました。

― セクハラ等について ―
 新倉 最初から特別何も思わなかった。セクハラまがいの言葉をかけられることもあるが、あまり気にならなかったです。
 須藤 セクハラかなと思う会話もあるが、かわし方も学んでくるので大丈夫です。むしろ男性の方がセクハラ・パワハラの言葉に敏感になっている気がします。
 全員 だんだんセクハラとも思わなくなっている。(笑)
 須藤 新倉さんへの質問です。設計を理解して現場に入ることの利点を教えていただけますか。
 新倉 図面が理解できて記号の意味が分かるのが1番大きいと思う。寸法を見て3Dで想像もできることです。
 鈴木 須藤さんに質問です。現場での仕事の頼み方を教えて下さい。
 須藤 上司に言われたとおりを職人さんに伝えると怒られることがあり、なぜ?と思ったが、仕事の段取りを明確に伝えることができておらず、いまはそれを心掛けている。あとは女性なので、可愛い子ぶって頼むのも1つです。(全員 笑)
 新倉 重い物もふざけて「ああ腕が」と言うと、男性が持ってくれます。小芝居は大事です。(全員 笑)
 須藤 人によっては寡黙な方もいて、時間がかかっても距離を縮める努力をしないと仕事が進まない。最後は1番仲良くなっていることがあります。

― 休暇について ―
 須藤 現場が動いていると取れないのは分かっているので慣れてはきます。1週間のタイムスケジュールを作成している。仕事のスケジュールを30分刻みに組んで、上司と無駄な時間の使い方がないか検討をしている。仕事を見える化したことで残業を減らすことができています。

― 現場環境の変化 ― 
 當間 あまり変わっていないと思う。(全員)現場の所長によって良かったり悪かったりです。
 須藤 トイレを女性用に用意してくれたこともあったが、男性が並んでいると悪い気がしてしまう。

― 落ち込んだときの解消法 ― 
 新倉 ガンガン飲んで寝て忘れますっ!!(全員 笑)
 當間 先輩や上司に話しをして聞いてもらっています。
 須藤 年齢が近い先輩と話をします。弱みを見せられる先輩の前で思いっきり泣かせてもらっています。
 鈴木 同期の子と愚痴りながら帰ります。

― 家族の反応は ―
 新倉 あなたは大丈夫ね!と言う感じでした。
 當間 自分がやりたいと思うならと理解してくれました。
 須藤 反対はありませんでしたが、たとえ反対されても私はやります!(全員 笑)
 鈴木 すごく心配されましたが、でもやりたいならと言ってくれました。

― 今一番つらいと思うこと ― 
 新倉 現場までの通勤が長いのがきついです。
 當間 今のところありません。暑さはつらいけどそれが逆に楽しい。まわりはバテてますが自分だけ元気だったりします。
 須藤 特別ありません。何かあったらできるだけその場で解決するようにしています。
 鈴木 今はありませんがこれから何があるのかは不安です。同期の男の子には負けたくない気持ちもあり、女性だからと常に助けられるのも悔しいです。

― 結婚や出産後は ―
 當間 続けたい。できれば現場に戻りたいです。
 全員 続けたいです!

― 上司への要求 ― 
當間 何かあれば上司にもはっきり言うので特にありません。
 須藤 上司に対し親のように何でも話すので特にありません。

― 後輩に対して ―
 新倉 何でもかんでも後輩にやらせるのではなく、自分ができることはやるようにしています。
 須藤 友達のようになるが、なめられないようにしている。(全員 笑)注意するときにきつい言い方になりそうですが受け止めてほしいです。
 當間 私ははっきりと言います。「ふざけんじゃない!」とか(全員 笑)。男口調で強く言わないと聞いてもらえないので。

― これからの夢は ―
 當間 もっと女性が増えたらいいなと思う。とくにオペレーターの人が増えたらと思います。
 新倉 女性の後輩が増えたら良いと思います。男性ばかりだと口調もきつくなりがちになります。
 須藤 女性だけの現場。管理者だけ女性でやることは可能かなと思います。そんな現場だったら職人さんの気持ちも上がるのではないかと思います。(全員 笑)
 鈴木 後輩ができたらなんでも話せる先輩になりたいと思います。
 事務局 建設業で働く4名の若手女性の皆さんは、つらいことや悔しかったことすべてをバネにして精一杯仕事をされていました。女性であることがこんなにも輝く職場であったことを改めて気づかせて下さいました。
 皆様ありがとうございました。


横山侑奈さんに聞く

(一社)愛知県土木研究会
 海部建設株式会社

『ポジティブに楽しくを心掛け』

――お仕事の内容を教えて下さい――
 予算内で設計図どおりに工期に間に合うよう、いつどのような工事をするのか、どこの会社の人間をどれくらい入れるのかと言ったことなどを考えたり、安全性に配慮して工事が円滑に進行するよう完成に向けてスケジュールを決めて施工を管理する仕事です。

――建設業界に入られたきっかけは何ですか――
 大学で土木関係を専攻しており、いまの会社を紹介して頂いたのが建設業界に入ったきっかけです。
 
――建設業界の魅力とは――
 何もない所に1つのモノが出来上がることや、地図に残ったり、人の記憶に残るモノを造れること。また、人々の暮らしや防災に役に立てることが魅力です。

――男社会と言われる建設業界で女性としてのハンデや良かったことなどありますか――
 まだ土木現場で働く女性は少ないので珍しがられますが、少ないからこそ逆に面倒をみてもらえたりするような気がします。また、男性が頼むより女性が頼んだ方が聞き入れてもらいやすかったりするような気もします。

――現場で働く女性の皆さん(女性技能者・技術者)に対する会社や現場の反応はどうでしたか――
 女性で事務職以外の入社は私が初めてなようで、会社の方にはいつも心配され気を使って頂いています。現場では多くの職人の方に驚かれますが、現場が明るくなったと言ってもらえることもありマイナスな反応は無かったかなと思います。

――女性が働く上で、建設業界や現場に求める改善点などはありますか――
 女性用サイズや透けにくくなっている作業着がお店ですぐに買うことができたり、軽量化された作業道具があればもう少し作業しやすいかなと思います。

――現場で常に心がけていることはありますか――
 ネガティブに仕事をしていると周りの雰囲気を悪くしたり、作業効率が落ちたりと悪循環になってしまうので、協力会社の方達とコミュニケーションを取りながらポジティブに楽しく仕事をしようと心掛けています。

――未来の自分について――
 資格を取得し、長く建設業にかかわっていけたらいいなと思います。

――建設業を目指している女性に向けてメッセージを――
 建設業界にはまだまだ女性は少なく懸念されがちですが、いまは、女性が働きやすいように少しづつですが変わってきていますので、興味を感じているのでしたらぜひ飛び込んでみて下さい。

――貴方の大切な時間を教えて下さい――
 友達と食事に行ったり、お酒を飲みに行ったり、旅行することです。せっかくの休日を家で過ごすのはもったいないと思ってしまうので基本的には外に出てリフレッシュしています。