特集         建設業界で働く女性たち

2017年07月04日

横山侑奈さんに聞く

(一社)愛知県土木研究会
 海部建設株式会社

『ポジティブに楽しくを心掛け』

――お仕事の内容を教えて下さい――
 予算内で設計図どおりに工期に間に合うよう、いつどのような工事をするのか、どこの会社の人間をどれくらい入れるのかと言ったことなどを考えたり、安全性に配慮して工事が円滑に進行するよう完成に向けてスケジュールを決めて施工を管理する仕事です。

――建設業界に入られたきっかけは何ですか――
 大学で土木関係を専攻しており、いまの会社を紹介して頂いたのが建設業界に入ったきっかけです。
 
――建設業界の魅力とは――
 何もない所に1つのモノが出来上がることや、地図に残ったり、人の記憶に残るモノを造れること。また、人々の暮らしや防災に役に立てることが魅力です。

――男社会と言われる建設業界で女性としてのハンデや良かったことなどありますか――
 まだ土木現場で働く女性は少ないので珍しがられますが、少ないからこそ逆に面倒をみてもらえたりするような気がします。また、男性が頼むより女性が頼んだ方が聞き入れてもらいやすかったりするような気もします。

――現場で働く女性の皆さん(女性技能者・技術者)に対する会社や現場の反応はどうでしたか――
 女性で事務職以外の入社は私が初めてなようで、会社の方にはいつも心配され気を使って頂いています。現場では多くの職人の方に驚かれますが、現場が明るくなったと言ってもらえることもありマイナスな反応は無かったかなと思います。

――女性が働く上で、建設業界や現場に求める改善点などはありますか――
 女性用サイズや透けにくくなっている作業着がお店ですぐに買うことができたり、軽量化された作業道具があればもう少し作業しやすいかなと思います。

――現場で常に心がけていることはありますか――
 ネガティブに仕事をしていると周りの雰囲気を悪くしたり、作業効率が落ちたりと悪循環になってしまうので、協力会社の方達とコミュニケーションを取りながらポジティブに楽しく仕事をしようと心掛けています。

――未来の自分について――
 資格を取得し、長く建設業にかかわっていけたらいいなと思います。

――建設業を目指している女性に向けてメッセージを――
 建設業界にはまだまだ女性は少なく懸念されがちですが、いまは、女性が働きやすいように少しづつですが変わってきていますので、興味を感じているのでしたらぜひ飛び込んでみて下さい。

――貴方の大切な時間を教えて下さい――
 友達と食事に行ったり、お酒を飲みに行ったり、旅行することです。せっかくの休日を家で過ごすのはもったいないと思ってしまうので基本的には外に出てリフレッシュしています。


中田有希さんに聞く

全中建 岩手
三陸土建株式会社

『女性として伸ばせるところを頑張る』

――お仕事の内容を教えて下さい――
 工事部の係長で、1級土木施工管理技士です。写真管理、図面作成、原価管理など現場管理補助が仕事の内容です。

――建設業界に入られたきっかけは何ですか――
 高校・大学と土木について学び、それを生かして働きたいと思ったのと、外で働くのもいいなあと思ったからです。現場経験年数は14年、その内2年は内業です。
 
――建設業界の魅力とは――
 人の生活のためになる、一生近く残る構造物をつくる醍醐味を味わえることです。

――男社会と言われる建設業界で女性としてのハンデや良かったことなどありますか――
 女性としてハンディがあるなら、女性としてもっと伸ばせるところを頑張りたいと思います。工事のお知らせのチラシ配りをすると、びっくりされる方もいらっしゃいますが、心持ち対応が柔らかになるような気もします。その他には、現場内の整理整頓、ごみの分別の徹底(現場がきれいだと作業しやすい環境が作れる。また、工事終了時の後片付けの時間短縮につながる)、夏の暑い日にはテントを張って日陰を作る(熱中症予防)、冬は休憩時間に温まれるよう早めにストーブを点けてあげるなどの心配りをしました。ただ、このようなことは男性の方でも行っていることなので、女性だからという考えではない気がします。

――現場で働く女性の皆さんに対する会社や現場の反応はどうでしたか――
 会社的には特別な扱いはありませんし、仕事的にも男性社員と変わりなく接して頂き(逆に女性だから気を使われるより良かったです。)、休み時間などに孤立しないよう話しかけてくれたりしてもらいました。私が県外から就職したせいもあり、盛岡のことなどをいろいろ教えてもらいました。

――女性が働く上で、建設業界や現場に求める改善点などはありますか――
 現場に女性がいる場合は、女性専用のトイレや更衣室を設ける等の環境整備を行ってほしいと思います。

――現場で常に心がけていることはありますか――
 朝礼時や休憩時間に作業員さんとのおしゃべりでコミュニケーションを取ることです。私は、治山工事などの山や林道での仕事が多かったので、キノコや山菜の話などが多かったような気がします。作業員の皆さんは、自家製の野菜やお米を持ってきてくださり、よく頂いていました。

―ーご結婚をされていて、仕事を両立していくことについて――
 私も主人も実家が近くではないので、親の協力が得られないため、子供が病気になったときは、私が仕事を休むか育児保育に預けなければなりません。現場の方や会社の方には迷惑をかけていますが、協力してもらっています。現場の仕事に携わっていたころ、急な休みを取るときは現場の写真撮りや測量、監理などの協力をお願いしていました。現在は内業ですので、皆さんから仕事を早めに依頼して頂いているため、休み明けでも間に合うようにはしています。自分的には休みずらさもありますが、笑顔で了承してもらい、気が楽な気がします。

――未来の自分について――
 現在は、いまできること(仕事・育児)を頑張るという事しか考えられないため、未来についてまでは考えていません。

――建設業を目指している女性に向けてメッセージを――
 建設業は屋外での仕事が多いため、冬は寒いし夏は暑いです。やはり大変ですが、やりがいはあると思います。女性ならではの視点で頑張れば、自分と地域の人のためになる仕事ができると思います。

――貴方の大切な時間を教えて下さい――
 夕ご飯の時間など家族との団らんです。


海宝真波さんに聞く

静岡県中小建設業協会
加和太建設 株式会社

『人の生活の根幹を支えたい』

――お仕事の内容を教えて下さい――
 土木工事の現場員です。測量、材料の見積もりや発注などを含めた現場の段取り、書類の作成、安全書類や安全施設など安全関係の整備、出来形および品質の管理を日々行っています。職人さんと相談して現場を進めていくことが仕事です。

――建設業界に入られたきっかけは何ですか――
 大学で造園を専攻して学んでいるうちに、人の生活の根幹を支えたいと思うようになり、建設業界に入りました、土木の現場員として入社して今年で2年目になります。
 
――建設業界の魅力とは――
 人々の暮らしの「あたりまえ」を支えることができることです。

――男社会と言われる建設業界で女性としてのハンデや良かったことなどありますか――
 「結婚したら仕事辞めるんでしょ?」「子どもができたら、現場の仕事は難しいよね」とよく言われます。こういう言葉には少しカチンとくることは事実です。ほかの業界でも、こういった言葉をかけられる女性は多いようなので、そういった偏見が、未だに根強く残っていることを強く感じさせられます。私自身は、人それぞれ建設業の仕事に対する向き不向きはあれど、ハンディと言うものは無いと思っています。とは言え、本当にできないことは、無理をすると危険が伴う場合もありますので、先輩を頼ることがあります。逆に、先輩が体調不良の場合は、私が代わりをすることもあります。小柄なので鉄筋の間など狭いところでも身動きが取りやすいのは良いところだと思います!また「女の子がいると現場が明るくなるね」といろいろな方に言って頂けるのは嬉しいです。

――女性技能者・技術者に対する会社や現場の反応はどうでしたか――
 女性技術者が複数人いるということで、現場に女性用の洋式お手洗いや更衣室が設置されるようになりました。もともと弊社が女性の採用や子育てをしながら働くことにもともと積極的でしたので、大きく変わったことはないと思います。初めは社外の方に驚かれることも多かったのですが、抵抗なく受け入れて頂いているのかなと思います。

――女性が働く上で、建設業界や現場に求める改善点などはありますか――
 男女関係なく、適材適所の考えやお互いにサポートしあうと言う姿勢が必要だと思います。あと、女性用サイズの作業着や安全靴がお店ですぐに手に入ったり、扱いやすくてデザインもかわいい作業用のがあれば、仕事もしやすいし、楽しくなるのになあと感じています。現在の私の悩みは、手を洗うためのきれいな水の確保です。いま配属されている現場は建築工事と一緒に実施していて、仮設の水道が引いてありますが、土木の現場では水道を引けないことの方が多いので・・・・。

――現場で常に心がけていることはありますか――
 顔を合わせたら挨拶をすること、何か協力してもらったら「ありがとうございます!」と言うこと、話しかけられたら笑顔で対応することの3つを心がけています。また、メモや先輩への伝言に付箋を使うことがよくあるので、かわいい付箋やおもしろい付箋などを事務所のデスクに置いています。

――悔しかったこと、それでも今の仕事を辞めずに続けてこられた理由は何でしょうか――
大きな失敗をしたときは、とても落ち込みました。幸い大事に至らずに済んだのですが、たくさんの方にご迷惑をかけてしまいました。「また失敗してしまうのではないか」と毎日不安で、逃げ出したい気分でした。ですが、会社の先輩方に「俺も間違えたことがあったよ」「次から気を付けような」「ひとつ勉強できたな」といろいろ励ましの言葉を頂き、投げ出さずに仕事を続けることができています。
 
――未来の自分について――
 誰かの目標になれるような現場代理人になれたらいいなと思います。

――建設業を目指している女性に向けてメッセージを――
 自分がやりたいことを大事にしていれば、それに共感してくれる人や会社が必ず見つかると思います。周りの言葉や噂に惑わされないで、自分がやりたいことを大切にしてほしいですね。

――貴方の大切な時間を教えて下さい――
 千葉の実家に帰って猫と一緒に昼寝をすること、友人と食事に行ってお酒を飲んでカラオケでオールをすること(カラオケをして朝まで過ごすこと)、好みの文房具を探して回ること、・・・等々。最近は社員で集まってスポーツをすることが流行っていて、私も月1でフットサルに参加しています。これをきっかけに、トレーニングシューズを購入しました!


山口 小優美さんに聞く

一般社団法人 山形県建築協会
株式会社 市村工務店

『背筋をピンと張り印象良く』

――お仕事の内容を教えて下さい――
 一般住宅の現場監督として、お客様の笑顔と豊かな暮らしを作る仕事をしています。

――建設業界に入られたきっかけは何ですか――
 小学校の修学旅行のとき訪れた日光東照宮で、こんなにも存在感のある建物を見たのは初めてで感動したのがきっかけです。工業高校に入学して建築を学ぶにつれ、社寺だけでなく一般建築にも興味を持つようになりました。任される仕事も多くなってくる、頑張り時の3年目です。
 
――建設業界の魅力とは――
 人の暮らしを豊かにできることだと思います。

――男社会と言われる建設業界で女性としてのハンデや良かったことなどありますか――
 ハンディは無いと思っています。力の面など男性より劣っているところはあるかもしれませんが、でも、それをハンディだと思って、甘えていては成長しないと私は思います。その反面、重いものを1人で運んでいるとき、職人さんから「ほだなもたがげるんだかしたぁ?!(そんなものも持てるの?!」と驚かれたときは嬉しかったです。

――現場で常に心がけていることはありますか――
 「最高のものをつくろう」です。私の会社では、この言葉を大切にしています。お客様にとっても、会社にとっても「最高のもの」と言えるように日々仕事をしています!もう1つ心がけているのは「姿勢」です。現場で大工さんと打合せているときに、片方に体重をかける形で立っていたら「若いうちからそんな楽な姿勢ばっかりしていると、俺みたいになるぞ」と注意を受けました。それから、他の人も同じように立っているのを見た時、態度が悪いようにも見えました。「姿勢が悪い」と言うことは「態度が悪い」ということなのだと気づきました。いつまでも、背筋をピンと張れるように、他人からの印象を悪くしないように気をつけたいと思っています!

――悔しかったこと、それでも今の仕事を辞めずに続けてこられた理由は何でしょうか――
 続けての発注ミスや段取り不足で現場に大きな迷惑をかけたことがありました。自分はこの仕事に向いていないのかと思ったりもしました。そんな時、声をかけてくれたのが先輩や現場の職人さんでした。「誰だってミスをすることはある」「次は間違えないように気を付けて」と励ましてもらいました。次に頑張るチャンスをもらえたことと、困ったときには力になってくれる人たちがいるという事に感謝したいです。

――未来の自分について――
 後輩指導ができる自分になりたいです。仕事についての理解を高め、教えられるようになることが、自分自身が成長した証だと思います。

――建設業を目指している女性に向けてメッセージを――
 自分がやりたいと思う事、好きな仕事をしてください。そして、その気持ちを忘れないでください。

――大切な時間を教えて下さい――
 飼っているウサギと遊んであげる時間です。ゲージの前を通ると必ず寄ってくるので、頭を撫でてあげます。気持ち良さそうにしているのを見ると、とても癒されます。


1級建築士 佐藤きよねさんに聞く

神奈川県中小建設業協会
株式会社なごみ建設

『区別と差別の違いを男女ともに理解を』

――お仕事の内容を教えて下さい――
 主に営業(顧客との打合せ)、現場監理、設計、見積もり等です。

――建設業界に入られたきっかけは何ですか――
 ハウスメーカーに入社後、建築事務に配属され、建築社員の業務の手伝いをしていて図面も多少読めるようになったころ、女性の建築士がコンサルタントに来られて、その方といろいろお話しをしている中で、建築の仕事を勧められたことが大きいです。

――建設業界の魅力とは――
 かたちになる事でしょうか!

――男社会と言われる建設業界で女性としてのハンデや良かったことなどありますか――
 男性社員ならできる力仕事や工具作業などで、できないことがあります。女性だからと得られたことは特にないと思いますが、可愛がられたり、特別扱いされたことはありました。個人的には得したこともありますが、だからと言って良かったとは思っていませんが・・・・。

――会社や現場の反応はいかがでしたか――
 現場によっては更衣室が無い場合もありましたが、中小企業だったこともあり、女性が現場に入ることで見直しをされ更衣室を設置してもらうことができました。

――女性が働く上で、建設業界に求める改善点を教えてください――
 性別は関係なく、適材適所に人員を配置して、区別と差別の違いを男女ともに理解できればいいと思います。

――現場で常に心がけていることはありますか――
 人によっては、営業の立場と監督の立場の場合があるので、間違えないようにしています。営業の時は別の社員が監督を担当します。

――いろいろな思いがあるなか、それでも辞めずに続けてこられたのはなんでしょうか――
 辞めるのは逃げることのように思えて、意地でも辞めなかったのだと思います。

――未来の自分について――
 建設業界にいると思います。

――建設業を目指している女性に向けてメッセージを――
 性別は関係なく、能力主義が私の理想です。男女は関係なく、やりたいことに挑戦してください!

――大切な時間を教えて下さい――
 スーパー銭湯で温泉とマッサージでリラックスするのが最高です☆